『ユビサキ』
帰り道。

同じ方向は、私と彼だけ。

だから彼が私を送ってくれている。

飲み会と違って、二人きり。

肩が触れそうな距離感に、内心ドキドキ。

話に相槌を返すのがやっとだった。


後、数mで私のアパート。半径5分以内に彼の住むマンションがある。

意識しすぎてる自分が恥ずかしくて。

早く家に着きたくて、足早になる。


が、

「キャッ…!!?」

「オイッ!?」

アルコール+ヒールの効果で足がもたついて、

グラッ

バランスを崩した。
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