背中に手
背中に手
春が過ぎ去り、徐々に暑くなり六月に差し掛かってきた。
「あーつーいー!まだ六月なのにこの暑さって信じられない」
あたしは氷の入った冷たいジュースを思いっきり飲みほせば、呑気にベットに寝転び漫画を読むアホ……じゃなくて幼馴染みの謙吾を睨み付けた。
今日は部活もないし、久し振りに二人で遊びに行こうと思った矢先にこの天気。梅雨入りだから仕方ないけど、この蒸し暑さはどうにかならないのかな。
うんざりしているあたしはかまって欲しくて謙吾の肩を何度も揺すってやった
「本当に出掛けないの?」
んー、としか返ってこないからあたしの機嫌は右上がりの一方。
「ちょ、おまっ。ぐぇ」
あたしは謙吾から漫画を奪いとれば、寝転がった謙吾のお腹に右足を乗せ押さえつけた。途中苦しそうな声がしたけど気にしなく、にんまりと笑ってやった。
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