君を迎えに
「母さん…何コソコソしとん…!」
「うふふ、ナイショ」
「もぉ…恥ずかしいからやめてや……」
ふたりを見ていると、なんだか楽しくなった。
からかわれている彼を見るのも初めてだし、困ったように照れる彼も普段と違う印象でおもしろかった。
「あれ、でも…越…陽平、くんはしゃべり方…違うね」
何気なくいうと、とたんに彼の顔色がかわり、表情が固くなった。
「…それ、クラスの子に言わん…て…」
すいっと目を逸らした彼は、しまった、と言うような顔をしていた。