君を迎えに
「いやいや、ちがうよ!」
「「じゃあ越野くんが雪子のこと好きなの?」」
「それはー…ないよ、多分…」
わたしに聞かれてもそれは知らない…。
「こんにちはー」
「いらっしゃーい」
相変わらず彼のお母さんは笑顔で出迎えてくれる。
わたしはまっすぐそのまま彼の部屋に直行した。
「こんこん、おじゃましまーす」
「ノックくらいせぇや…」
「したよー、正しくは言っただけど」
なんやねんそれ、と彼は笑った。
初めて彼の家に行ってからもう数ヶ月経ち、彼はよくしゃべってくれるようになった。
笑うことも増えて、嬉しかった。
「もうちょっとで完成やから」
「えっ、ほんと!?」