君を迎えに
キャンパスの揚羽蝶は、輝いていた。
まわりの鮮やかな草花を脇役にして、花のようにして舞う蝶。
ラメがはいってる訳でもないのに、まわりでりんぷんがきらきらしているように見えた。
声なんてでない。
出してはいけないようだった。
「もっと近くで見てみぃ」
うしろから思わぬ近さでささやかれ、思わずとびあがった。
「ふっ…!どないしたん、跳び跳ねて…」
「やっ、ちょっと、近かった、から」
そ、と笑いながら彼が部屋に入るのをおいかけ、わたしも入る。