瑠璃の風

目が覚めると、丸い丸い太陽が水平線に沈もうとしているところだった。

みんな、いつも通りだ。

海も。
太陽も。
町の賑わいも。
風の匂いも。

いつも通りは、ほっとする。

僕は、ルリは幻だったんじゃないかとさえ思った。

町からは夕食の支度をするいい匂いが漂ってきている。

太陽の最後の一筋が消えるのを見届けてから、僕はおすそわけを貰いに市場へと向かった。


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