瑠璃の風
僕の瞳を見つめたまま、ルリはゆっくりと瞬きをした。お人形さんみたいに長いまつ毛をしている。
「だってわたしは風だもの。」
「……うん。知ってるよ。」
僕はルリの瞳をこれ以上見ていられなくなって、目を反らした。
空は雲ひとつなく、海はさざ波ひとつ立たない。
どちらがより青いか、競っているようだと思った。
「あなたはずっとこの町にいるの?」
ルリが尋ねた。
僕は、少し考えてから答えた。
「僕はずっとこの町で生きてきたんだ。きっとそれはこれからもかわらないよ。」
「ふうん。」