恋。ときどき雨



「智樹君が・・・?」



「・・・美弥は、人を信じることが

 出来ない。今は」



「・・・うん。知ってる」



私のせいだから・・・



「それは、俺もだからわかるんだけど

 信じられる人を探してるんだ。

 この人生の中で」



信じられる人、か・・・



「智樹は、美弥が信じられるって

 思える人かもしれない」



「智樹君が?」



「俺の勘だけど・・・ごめんね?

 根拠もない話で」



「ううん!聞けて良かった」



「じゃあ、また明日」



千里君に手を振って、家の中に入る



さっきまで、話してたのに

今までのドキドキがない



千里君にひとめぼれだったんだけど・・・

もしかして、勘違い?



カッコいい人を見たから

ドキドキしただけ・・・?



「・・・もう・・・だから初恋って

 難しいんだよ・・・」



そっと呟いて部屋に入る



今は自分のことよりも美弥のこと!!



私に出来ることって、

何だろう・・・
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