恋。ときどき雨



「私、向日葵描いてる」



「見ればわかる」



「・・・なんで?」



自分でも、わかってないのか?



「私、智樹といると・・・

 ギュ~ってしたくなる」



「ギュー?」



「うん」



絵の具とパレットを置いて

こっちにやってくる



「こうやって、ぎゅーって・・・」



そう言いながら、抱きついてくる



「お、おい・・・!」



「・・・この香り、忘れちゃいけないの」



また、香り・・・?



「智樹、助けて。美弥の、記憶、

 戻してあげて・・・」



そんなこと言ったって・・・



俺が戻せるわけない



「・・・任せろ。

 いつもそばにいて・・・助けてやる」







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