恋。ときどき雨



俺は静かに、美弥の横に立った



「・・・智樹」



「・・・・・・どうした?」



「私、またみんなを泣かした?」



「・・・あぁ、だから食べてくれ」



「・・・・・・食べたくない」



焦点の合ってない美弥



赤い目をした美弥



全てが、初めてあった時とは違う



無表情で、何を考えてるかわからない



「・・・・・・ほら」



そんな美弥に、すりリンゴを1すくい

スプーンに取って口元に運ぶ



「智樹君、美弥はリンゴが嫌いで・・・」



「・・・・・・美弥は食べてくれます」



優しく、美弥を見つめながら言う



「・・・・・・これ、前にもあった」



「えっ・・・・・・?」



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