恋。ときどき雨
『私の夢?
私の夢は―、』
『わたし、おおきくなったら―、』
『智樹、ありがとう―。』
「・・・・・・お姉ちゃん、大丈夫?」
「・・・うん。ありがとう。
君のおかげで《全部》思い出せた」
私は小さく男の子に微笑みかけた
「私の夢は、普通の景色を見て
人を見て・・・
普通に生きていきたい」
「それが、お姉ちゃんの夢?」
「そうだよ。普通に生きることが
私の夢」
「そっか!叶うといいね」
「うん。君もね」
小さく笑って男の子と別れる
「・・・・・・美弥」
後ろから聞こえる、
愛しい人の声