恋。ときどき雨



何で美弥は、勾玉を選んだんだろう



今の美弥に聞いても、わからないよね



私の勾玉は、綺麗に光っていて・・・

本当に、幸福の祈りをしているようだった



「・・・ごめん諒人!ちょっと美弥の所に

 行ってくるから!!」



「おー、早く帰って来いよ」



美弥の教室に行くと、

姉ちゃんと智樹君だけ・・・



「・・・あれ?美弥は?」



「美術室に行くって言ってたよ」



「そっか・・・ありがとう!」



「えっ?由姫?!」



急いで美術室に向かうと、

美弥が絵を描いていた



教卓の上には椿が挿してあった

造花だけど



「美弥・・・・・・」



ゆっくりと振り返る美弥



その美弥の肩越しに見えた絵は、

なぜか向日葵の絵が描かれていた



「何書いてるの?」



「・・・・・・向日葵」



「何で椿じゃなく向日葵?」



そう聞くと、美弥は首をかしげた

・・・自分でもわかってないの?



「どうしてここに・・・?」



「あ、これなんだけど・・・」



ピンクの勾玉を見せる




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