私の媚薬


午後の微睡んだ空気が漂う時間、トイレへ行こうと廊下に出た私の鼻を、彼の匂いが擽った。


残り香が私を翻弄する。



廊下にはエレベーターとトイレと、非常階段へ続く扉。

なぜだかその先に彼がいるような気がして、ちょっとした好奇心が私の足を動かした。


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