激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集
沢山のドレスの中から、難なく淡いパールピンクのフリルを贅沢に使ったドレスを見つけ出す。
アップされた髪から落ちる柔らかな後れ毛が揺れ、彼女は微笑んでいた。
楽しそうにイーニアスの隣に寄り添う。その可愛らしい仕草……
二人は、会場中の注目を集めていた
。
『まあ、なんて可愛らしい……素敵なカップルね』
『イーニアス様ってば、中々恋人をお連れにならないと思っていたら……あんなに可愛らしい恋人がいたなんて』
カントリーサイドのマダム達の声がする。
『いつ婚儀が整ってもおかしくはない年齢ですものね』
『あぁん! 悔しいくらいにお似合いね!』
イーニアスが手をとり、ワルツが流れると、彼女は立派なプリンセスになる。
二十四時、鐘の音が聞こえ、彼女の魔法が解けるなら、ガラスの靴を携えた王子に見つかる前に、彼女を奪い去ってやりたい。