激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集
バグパイブの演奏が始まり、リード式の音管楽器の音色が人々を惹き付けている。
イーニアスはお嬢様の手を取ると、夜の帷がおりたテラスへと誘い込む。
くそっ、ここからでは見えなくなる。俺が監視している事に気づいたか?
勝ち誇ったような蒼の瞳と目線があい、胸がかき乱された。
パールピンクのドレスがテラスの暗闇へと消えていく。
「あの野郎……」
イーニアスの奴、本気だ。
人気のなさそうなテラスで何をするつもりだ。
厨房から口直し用のシャーベットが出てきた。それをトレイに乗せたボーイから、笑顔で奪う。
燕尾服の裾を揺らして、華やかな会場へと身を翻す。