激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集
「答えは、ノーよ! ノーベル賞のノーよ!」


「それは困る! 僕だって本気だ。いい返事がもらえるまで帰さないぞ」

 
 茉莉果お嬢様は、イーニアスにベーっと舌を出す。


 彼女がノーと言ったら、ノーだ。理解しやがれ、この誘拐魔!



「ノーって言ったらノーよ! ノーネクタイのノー!」

「マリカ、僕は諦められない!」


 イーニアスは今にも泣き出しそうに必死だが、俺も彼女を手放すわけにはいかない。


 次期伯爵だろうと、素晴らしいバロック建築の屋敷を有していようと、我々をゲストとして受け入れてくれたとしても


 俺は、彼女を手放せない。


 ホールからは盛大な拍手が湧き起こりバグパイブの奏者が讃えられた。




「絶対にダメ?」

「絶対にダメっ!」


「僕の大切なモノを何でもマリカにあげるから!!」

「そんなのいらないわ!」



 幼稚な対決に目眩がしてきた。


「絶対の絶対?」

「絶対の絶対の絶対! ダメったらダメーっ!」


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