激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集
ブロンドの貴公子は、鼻の頭を赤くさせた。
仮にも数日後には伯爵の名を与えられる男だろ。
「イーニアス様、諦めてください」
「そうよ! そうなのよ!」
「わかったよ……」
イーニアスが小さく頷き、お嬢様が解放されたので、俺は彼女を抱き締める。
「大丈夫でしたか? お嬢様」
「ええ……勝ったわ柏原」
お嬢様も俺の胸に顔を埋めてきた。思い余って、愛しい額にキスをすると安堵のため息が漏れた。
彼女の必死の抵抗は、嬉しかった。
これに懲りて他の男からの誘いなんて受けないで欲しい……だけど、イーニアスの視線は俺に突き刺さったままだ。