激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集
「マリカ、一晩だけでも……どうかい?」
コイツ……その一晩のうちにどんな罪を犯すつもりだ!
「ダメよ! 絶対ダメ!」
「カシワバラは、彼女に満足しているのか?」
諦めの悪い奴だ。
そこまでして彼女が欲しい気持ちはよく分かるが、頼むから理解してくれ。
「もちろん」
「マリカ、カシワバラと二人で話をさせてくれない?」
「嫌よ!」
しつこいな……シルクのタキシードの襟をただして、俺たちに詰め寄るイーニアス。
身なりは王子といえども、その根性は粘着気質だ。
お嬢様の細い腕が、俺の首に絡み付く。 迷わず腰に腕を回した。