激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集

「マリカ、一晩だけでも……どうかい?」


 コイツ……その一晩のうちにどんな罪を犯すつもりだ!


「ダメよ! 絶対ダメ!」



「カシワバラは、彼女に満足しているのか?」


 諦めの悪い奴だ。

 そこまでして彼女が欲しい気持ちはよく分かるが、頼むから理解してくれ。





「もちろん」


「マリカ、カシワバラと二人で話をさせてくれない?」


「嫌よ!」

  

 しつこいな……シルクのタキシードの襟をただして、俺たちに詰め寄るイーニアス。

 身なりは王子といえども、その根性は粘着気質だ。





 お嬢様の細い腕が、俺の首に絡み付く。 迷わず腰に腕を回した。







< 112 / 161 >

この作品をシェア

pagetop