激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集
この男……
「柏原……? 顔が恐いわ……殺しちゃダメよ?」
『イーニアス、断る。何か勘違いしているようだが、俺は彼女を愛してる』
『カシワバラ! なんて美しい英語を話すんだ! ますます惚れたよ! それだけの美貌と知能をマリカが一人占めするなんて許せない』
『お前に許してもらう必要などない』
『その冷たい表情もたまらないな……うんといたぶってくれてもかまわないよ』
コイツ何を言っても無駄だな。
「柏原、英語で内緒話しないでよ! まさかイーニアスをお姫様にしてあげるつもりなの?」
「勘弁してください、お嬢様……参りましょうか?」
「じゃあ……柏原が私の王子様になってくれる? ホールでワルツを踊りましょうよ」
彼女の手をとるが、俺は眉をしかめた。
「それは無理です。私の身分は執事です。執事はホールで踊れない」