激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集
紫音家のキッチンは、本格的な厨房のような設備を整えている。
料理人も高齢という理由で最近屋敷を去った。後任を探そうとしてくれていた旦那様に、ならば私が料理も担います。と申し出た。
使用人仲間などいらない。余計な気をつかうのも厄介だ。仕事量も大したものではないし、小娘一人分の食事の提供などわけない。
大きなピッツァが十枚は置けてしまいそうな広いキッチン台の横で、レースのエプロン姿をしたわくわく顔のお嬢様。
黙っていれば、彼女は悪くない。
数年すれば、完璧な美貌を備えた女になるだろう。
「準備が整いました。はじめましょうか?」
「ええ!」