激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集
おまけ
────今朝も素晴らしいマーティン家のブレックファースト。
昨夜の舞踏会の盛り上がりから、少し遅めのブレックファーストになった。
温かいスープに、新鮮なサラダやフルーツ。焼きたてのベーカリーに溶かしたチーズがかけられて芳ばしい香りが広がる。
「はぁ……」
我が主は今朝も気だるい顔付きで、その豪勢な食事になど興味を示さずにいる。
「お嬢様、いかがなさいましたか?」
「柏原って、執事のふりしてるけど……本当は執事なんて向いてないんじゃない?」
「中々鋭い指摘ですね。お嬢様」
暖かいミルクティーのカップをお嬢様に手渡す、甘いミルクの湯気に「ふぅ」とため息を吹き掛けたお嬢様。
「人に頭下げたことある?」
「お嬢様……人聞きの悪い」
あるわけないだろ。
生まれてこの方、人に遜って生きてきた経験はない。
「なんか、最近騙されてる気がするのよね……」
ミルクティーをゴクリと飲み込んだお嬢様。
「お嬢様、要らぬ心配はなさらないでください。私はいつまでも有能で忠誠心のあつい執事でおりますよ」
「どうだか……」