激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集
「オーマイゴォーッ!」
そんな朝を切り裂くような声の主は、イーニアス・マーティン。
本日、晴れて伯爵の爵位を取得するらしい変態だ。
「マリカママ! 痛いよ! これ」
「痛いのは、最初だけよ! すぐに気持ちよくなるわよ」
例のツボ押しで盛り上がる奥様と二人で、周囲の視線を惹き付けている。
手を擦るブロンドの蒼い瞳の男と目が合うと、彼は照れ臭そうに手を振ってきた。
軽く殺意を感じ、渾身の力を込めて睨み返すとイーニアスは「ひっ」と肩をすくめた。
窓の外に見えるのは、小高いカールトン・ヒル。今朝はとても良い天気だ。
奥様とイーニアスの会話は続く。
「イーニアスがエディンバラ城に行ったらメアリーのツボ押しグッツ買った方がいいって教えてくれたじゃない」
「ツボオシ?」
「ツボ押し! ジャパニーズソウル♪」
奥様は意気揚々と答えていたが、そのような物に日本人の魂を込めないでいただきたいものだ。
日本の方々の為にも、そこは否定しておくべきだろう。