激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集
「そうか……ならば望みを敵えてやろう」
甲板から一本の木の板が出された。
その先は、空中で途切れていて……向かう先は冷たい海だ。
「えっ? わっ、ちょっと待って……わっ」
ピーターパンは、後ろ手に縛られたままその板の上に立たされる。
「僕は西原造船の次期社長だぞ! この船よりいい船を造ってやる! だからっ……ギャーーーー!」
男のクセに五月蝿い奴は、大嫌いだ。
船長は、ピーターパンを一蹴りで海に沈めると満足そうな顔をする。
「いい船は、奪うのが海賊だ……船を出せ!」
そして、今夜はもう一人の客人がいた事を思い出す。
パステルブルーの可愛らしいワンピース姿で、ピーターパンと同じように縄で後ろ手を縛られ此方を睨みつける彼女。なんとも美しい……
船長は彼女に目を奪われた。それを一目惚れというのかもしれない。
船長は俯き小さく笑みを漏らす。
「お嬢様、俺と一緒に旅をしようか?」