激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集
「そして迷うことなく、何の苦労もなく、仄かな光に包まれた部屋にたどり着くと、大きなベットに眠り姫の姿を発見する事ができた」
彼女の肩に腕をまわしてベッドに優しく横たえた。
枕に沈み込んだ彼女に覆い被さる。
髪を撫でて、その美しい顔を見つめた。
「姫……お迎えにあがりました。と王子は、小さく呟き、その美しい顔にそっと、手を添える」
ただ見ているだけで自然と笑みがもれるような寝顔に王子は安堵のため息をつき、その唇を指でなぞる。
「だけど、彼女を眠りから覚ましていいのだろうか? と、王子は首を傾げた」
「ちょっと柏原! そこはキスでしょ?」
「この姫の、我が儘ぶりは王子にとって手に取るように理解できる凶事だったのだ。
自分という恋人がいても、いまだにイケメン王子を追い求めているらしい。
常に美味しい紅茶と、甘いスイーツに囲まれ、 他人の言うことに、耳を貸すなどという事は天変地異よりも有り得ない」