激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集
お嬢様は、外出用のオフホワイトのスプリングコートをご自分で着用されたようだ。
それから先日高級ブランド店で購入したモスグリーンのハットをかぶり、同色のバッグを持った。
中身は最近購入したデシタルカメラとハンカチーフだけを詰め込んでいた。
「早くしなさいよ。柏原」
そして、人を咎めるように上から目線で腕を組む。
さっきまで可愛らしく笑っていたと思えば、すぐこれだ。
だから、嫌だ……この小娘。いつか絶対泣かせてやる。
彼女を睨み返して、蓄積されていく思いをため息に封じ込めると執事としての笑みを作る。
「申し訳ございません。昼食をご所望でしたので、手配に時間がかかりました」