激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集

 次に二つの丸を並べて、その丸の中央にさらに小さく丸めた生地をおく。



「柏原、これなーんだ?」


 私に、言わせるおつもりですか? お嬢様。

 勘弁してくれよ。



「お嬢様、はやく型を抜いてくださればその分はやくクッキーを召し上がる事が可能ですよ?」


「それも、そうね」


 良かった。しかし、一難去ってまた一難。


 お嬢様は、丸を自分の口へ近づける。


「お嬢様! まだ食べられません!」


 慌てて、その手首を掴む。腹を壊されたら困るだろ。

 彼女は迷惑そうな顔をした。


「知ってるわよ! 唇の形をとろうとしたのよ」


 くっ……唇?


「ですがお嬢様……」


「私の唇奪ってみたいでしょ? 味わいながら食べなさい。これは柏原用よ。私は柏原のお尻を食べるから」


 ですから……それを世間では変態発言として見なされてしまいますし……

 しかも、それを俺が喜ぶとでも?


「唇は……実物の方が味わい深いものです。違う型にいたしましょう、お嬢様」






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