激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集

「じゃもう、本気で寝るわ。私には、今が夜よ。カーテン閉めて、また明日。ごきげんよう」


 お嬢様はフラフラとした足取りで、天外つきのベッドにバタリと倒れ込む。

 
 寝る……と言っても、まだ昼食を食べたばかりだろうが!


 ブランケットを肩までかけると、眠り姫のごとく指を組んだ。



「おやすみなさい、柏原」


 そう言うと、満足そうな笑みを浮かべたまま瞳を閉じたお嬢様。


 幸せそうな寝顔だ……


 俺に全幅の信頼を寄せて、彼女は瞳を閉じている。



 貴女には、逆らえないな。



 規則正しい寝息が聞こえてきて、俺はそっとお嬢様に近づき秘密のキスを額に落とす。


「おやすみなさいませ、茉莉果様」


 自分で発したとは思えないような優しい声に驚き。 そのあどけない寝顔を見つめている事が、とても特別な事のように思えた。





第9話に続く






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