激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集


「面倒くさい世の中なのね」


 儚くため息をつく姿は、とても優美。言ってる要望がめちゃくちゃだという事実を無視するならば……



「お一人で車を運転なされると、私は常にお嬢様とご一緒に行動できなくなります。寂しいのですよ。貴女を乗せて車を運転する私という存在を無碍にしないでください」


 これじゃ、口説き文句だな。



「ダメよ! 柏原の登場シーンはないわ!」


「とっ……登場シーンでございますか?」



 今度は一体何の話だ?



「私が、凄いスピードで……キキッて!」


 お嬢様は少し興奮したようにハンドルを回す仕草をした。


「それで、後部座席にある銃をドオーン!」


 今度は何かを撃つ仕草、お嬢様のジェスチャーから推測する大きさからいってもバズーカー砲に近いだろう。



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