激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集
第11話 執事vs先生
────この度、お嬢様の高等学校進学が決まった(旦那様が金で解決した)。
以前、花見で訪れた奥様の母校桜ケ丘学園だ。あそこは女子校ということもあり、執事である俺も安心して毎日お嬢様を見送ることができる。
慣れない学園生活に不安を抱えたお嬢様だが、不安は口先だけで夜はぐっすりと自分のペースでお休みになられる。
俺は執事といっても住み込みではない。雇い主が気を回し、屋敷に隣接するこの部屋を提供してくれた。ここも紫音家所有の不動産なのだが……
エレベーターホールでボタンを押して、小さなため息をついた。
本当に、あのお嬢様は手がかかる。
何度躾ても、意表をついた攻撃を仕掛けてくる。
エレベーターの扉が開き乗り込もうとした。深夜に近い時間なのに、もう一人男が乗り込んできた。
「あ!」
「ああ……」
この男は確か……
「紫音の執事さん!」
「棗先生、こんな遅くにどうなさいましたか?」
面倒だな。お嬢様の通う学園の教師だった。