激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集
「現代文はまだいいんですよ! 太宰治の『人間失格』の感想文に『人間失格した人が集まって、何人かを合体させて完璧な人間が一人出来上がるマシーンを開発したらいいんだと思う』とか書いてあっても、感性が豊だから五点。とかあげられるんですよ!」
最悪だ。 言葉にもならない。 きっと、先生は悔し涙を流しながら五点を与えるのだろう。
今度、椅子に縛り上げて最初からじっくり耳元で『人間失格』を読む処罰を与えておこう。
「可哀想なのは、数学教師です!」
そこで、エレベーターが最上階につき俺達は並んで降りた。
正直、先生の話を聞いてみたい気持ちと疲れたし早く帰りたい気持ちに揺れた。
「彼女はなんの計算式もなく『a=3 私が決めたんだから絶対よ!』とか書いてくるらしいんです。恐ろしいでしょ」
そんなに酷いのか?
彼女の勉強相手は疲れるし俺も放置してしまっている。だけど、それは不味いな……これは今夜徹夜でお譲様を鍛えなおすプランを練らないと。
俺は自分の部屋の鍵を取り出す。 すると何故か隣で先生も、扉が開くのを待っている。