激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集
「認めないわ。あなた、綺麗な顔してるけど……性格悪そうだもの。嫌い」
面白い。女に、嫌いと言われたのは初めてだ。
フツフツと腹の奥で沸き上がる黒い感情が、愉快でたまらない。
「覚えておきましょう。ですが、貴女が私を嫌おうと車を用意して参ります」
「貴方の運転する車には、乗らないって言ってるでしょう?」
「そうですか……貴女のおばあ様が悲しみますよ? 貴女がお見舞いにくるのを心待ちにされていると思います。
一緒に暮らしてきて見舞いにすら行かないとは、お嬢様は人間のクズですね」
俺は、優しくはないぞ。小娘め、お前の思い通り俺は性格が悪い。
「クズって何よ! 謝りなさい」
「貴女が頭を下げるべきではないですか? おばあ様は貴女を目に入れても痛くない程可愛がっていると伺いましたから……頭を下げて“連れていってください”と仰ってください」