激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集
────というわけで、何故か。
「うわぁ綺麗!」
嫌々だが、勤務外の行きつけの一番安全で無難な場所。都内某所のスカイラウンジにある洒落たバーへとやってきた。
連れて行かないなら、勝手に屋敷を向け出して夜遊びすると騒ぎだしたお嬢様は、窓の外の夜景に食い付いたようだ。
まぁ、作戦通りだ。夜景で満足させて、さっさと切り上げよう。
「お待たせしました、柏原様。ノンアルコールカクテルでよろしかったですか? まさか本日お連れの方は未成年? いつも美人さんばかり連れてますけど、流石に犯罪ですよ」
「飛ぶか?」
カクテルを運んできたギャルソン。窓の外を指さすと「冗談ですよ! すみません!」と頭を下げた。
窓に張り付いていたお嬢様だが、カクテルに気がついて目をキラキラさせて俺の隣に座った。