会いたくなったら、上を見上げて
「もう泣くなよ〜志穂。分かったから、ね。お父さんが悪かった。ごめん」

違うの。
違うの。
違うのお父さん。
私が泣いてるのは……。
私が顔を上げられないのは……。
お父さんの顔を見るとまた……。
涙が溢れ出ちゃうから……。
だって……。
だって……。
……お父さんも泣いてるから。
私がこんなになるまで泣いたのは、生まれて初めてなのかもしれない。
お父さんの温もり。
いつまでも感じていたい。
いつまでも。
いつまでも。
だからお父さん。
死なないでね。
私を……、一人にしないで。
お父……さん……。
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