会いたくなったら、上を見上げて
赤く染まった想い
泣き疲れた私は、そのままお父さんの病室のベットで寝てしまっていた。
とても気持ち良かった……。布団にお父さんの温もりが感じ取れたから……。
目覚めた時には、日が傾いていた。
綺麗な夕焼け空が、病室の窓から見えた。

“この夕焼け空に、値札が付いたら、どんな高価なものになるんだろ? きっと高額なんだろうなぁ。ルビーよりも高値で、ダイヤモンドよりも高値で、値段が付けられないだろう。これも、お金で買えないものだと思う。人はみんな、こんな高価なものを見落としてる。こんなに立派で、自然からの贈り物。ロマンチックな贈り物。みんな……。みんな値段が付いてから、夕焼けの素晴らしさを知るのだと思う。人の心を癒す、不思議な色。不思議な明かり”

ふと、心の中で感じた。
不思議な気持ち。
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