会いたくなったら、上を見上げて
ぜーぜーと息を吐く健ちゃん。
苦しそう。
辛そう。
健ちゃんの顔が、真っ青だった。

“あっ”

この時……。
初めて健ちゃんの顔から。
……笑顔が消えた。
体の力が、すべて抜けたかのように、倒れこんでくる。
唇と唇が触れ合う。
そなまま健ちゃんは倒れていった。

「ごめん……」

無理やりの笑顔で健ちゃんは、そう言い残して倒れこんだ。

“嘘……!?”

私を掴んでいた手の力が抜けていき、垂れ下がる。

“嘘!? 嘘だよね?”

首の力もなくなり、私の胸から垂れ下がる。

「健ちゃん……」

私は健ちゃんを抱え込んだ。

「健ちゃん……」

いくら呼びかけても、返事はない。
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