会いたくなったら、上を見上げて
病院の先生をすぐに呼びに行った。
まだ間に合うかもしれない。
いや、絶対まだ間に合う。

“先生……。健ちゃんを……。健ちゃんを助けて”

階段を勢いよく下る。
……健ちゃん。
待ってて……。
今、先生呼んでくるから。
灯りが見える。
誰かいる。

“誰でもいい、健ちゃんが……”

「誰か、助けてください。健ちゃんが……健ちゃんが……」

「ちょ、ちょっと落ち着いてキミ。何があったの?」

落ち着いていられるわけがない。
健ちゃんが……。
健ちゃんが……。
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