会いたくなったら、上を見上げて
周りからの温もり
「健ちゃん来たよ」

いつものように、私は学校が終わるとその足で病院に行く。

「お! 志穂。ちょっと待ってて」

健ちゃんは、今日も元気な笑顔を私にくれた。

「王手! 俺の勝ち〜♪」

「あぁ〜こりゃあやられたわい。まさかあんなところに香車打ってくるなんてな」

「作戦っすよ。じーさんこそ中飛車で攻めてくると思わなかったよ」

「いやいや。この前テレビでやってたからマネてみたんだけど……あれだな」

「あれって何っすか?」

「名人みたいには上手いこと打てないってことだ」

「そうっすね。んじゃ〜また」

「おう。次は負けないぞ」

「こっちのセリフ! また声掛けてくださいよ」

そう言って席を立った。
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