会いたくなったら、上を見上げて
「おっ! 健一? まだいるのか」

声がして、ふと前を見ると、私のお父さんくらいの年輩の方がいた。

「重さん。そっちこそ!」

「次は先に出るからな」

「俺が先。重さんには無理だって」

「いやいや、分らんよ」

「そうかな?」

「じゃ、また」

シゲさん?
知り合いなのだろうか?
シゲさんは、健ちゃんの肩を叩いて別れを告げた。

「知り合いなの?」

「まぁ〜ね」

ニッコリと笑いながら、重さんの事を話てくれた。
いろんな人の話をしてくれる事は、前にもよくあった。
いつもいつも、健ちゃんは笑顔だった。
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