いきなり王子様
* * *
重い体で寝返りをうち、ふっと意識を取り戻した時、部屋には明るい陽射しが差し込んでいた。
徐々に覚醒していく自分自身を、再び眠りの中に落とそうか、それともこのまま起きようか。
今日は日曜日だから、もう少し体を休めたい。
とにかく体が重すぎて、腰までかけられているシーツを胸元に寄せようと動かすことすら億劫で。
それでも、上半身は着心地のいいシャツで隠されてはいるものの、腰から下は何故か素肌にシーツ、と。
何やら歌のタイトルのような状態では、落ち着かない。
「とりあえずシーツかけなきゃ」
と節々が痛む体をどうにか起こすと。
瞬間、下腹部に鈍い痛みを感じた。
「あれ……?痛い、けどどうして……」
それに、どうして下着を身に着けてないんだろう。
私が今身に着けている物は、普段部屋着として着ている白い大きめのサイズのシャツだけで。
決してパジャマとして着る事はない物なのに……。