疑惑
誰もが欠伸をかみ殺す
会議という名の報告会
偶然にも目が冴えていた私の目の前
重力に逆らえない瞼と戦う男の横顔を
遠慮なしに観察するには
絶好の機会だ
濃い目元に影
感触がイメージできない無精ひげに
だからこそ触れたくてたまらなくなる
力が抜けて
ほんの少し尖った唇に吸いつきたい衝動にかられる
前髪のかかる長い指先を
この舌で味わいたい
無機質なそれにしばられただけで
どうしてこうも
綺麗な指先に見えてしまうのかしら
ソレごと口に含んだら、
やっぱり無機質な鉄の味がするのかしら?