Dirty Hand (ダーティ・ハンド)【密フェチ】
彼の指先は、とても冷たかった。
私は、彼の指先を舐めた。アイスキャンディーを舐める様に。
灰にまみれた彼の指が、少しづつ見えてきた。
指先が長く、爪の形もとても綺麗。
ああ、こんな世界じゃなかったら、心底喜んでいただろうに……。
そして私は、彼の指を口の中にくわえた。
もう私には、彼の顔をハッキリと見る事が出来ない。
でも、彼の指を感じる事は出来る。
カラカラになった口の中に、彼の指を出し入れした。
何度も、何度も。
苦い灰とともに、硬い爪の感触と、柔らかい指の弾力を舌で味わう。
そして、歯でコリコリとした彼の骨を感じ、私はふわりと宙に浮いた様な心地がした。
私は生きてる。彼を感じる事が出来るんだ。
もっと、もっと貴方を私に下さい……。