捕獲完了



「じゃあ用事があるからそろそろ帰るね」



恥ずかしさが勝ち、そう言って席を立つ。

元々早く帰るつもりだったしちょうど良い。


そう思いながらも最後に彼に目をやると、琥珀色の瞳が私を見ていた。



嬉しい反面、やはり恥ずかしい。

鼓動は相変わらず高鳴っている。




私はなんとか逃げるように店を出た。





「ちょっと待って」



駅に向かって歩いていると彼の声が聞こえてきた。


振り返ると彼は意外と近くにいて、一歩踏み出せば彼との距離はなくなる。



「俺のことずっと見てたよね」



目の前には彼の唇。

少し視線を上げれば琥珀色の瞳。



やっぱり視線はそらせない。



「そんな風に見られると困る…」


そう言うと彼は一歩前に出る。


私の顎に手をやり上を向かせる。


そして瞳は閉じられ目の前にあったはずの唇が、触れた。


< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

誘うクチビル

総文字数/996

恋愛(その他)5ページ

表紙を見る
スーツを脱いで

総文字数/807

恋愛(その他)3ページ

表紙を見る
運命の人

総文字数/5,267

恋愛(その他)15ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop