笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『わかってるよ』

そう言って、スプーンにゼリーを乗せて
わたしに向ける

何も行動出来ないでいるわたしに

『早く口開けないと
また俺が
食べちゃうぞぉ』

わたしは勇気を出した

【あーん】

とスプーンをくわえた

それから先生は
自分が一口食べて
わたしに一口食べさせてを繰り返した

心臓が高鳴る

『最後の一口な!』

と言って、わたしの口に入れてくれた

『美味しかったな』

また先生は笑っていた

その笑顔が大好き

でも、わたしに
そんな事を
してもいいの?

疑問が駆け巡る

そんな考えを
断ち切って今日は
楽しまなきゃ損なのに

また考えてしまう

また悩んでしまう
< 113 / 383 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop