笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『あいつ、自分の事
好きでもない男に
惚れてた事があってさ。
自分の事
利用されてるだけだってわかってたくせにさ。
その時の夏海の笑顔は
本当の笑顔
じゃなかった。
また夏海が
そんな思いするのは
見てるこっちが
辛いんだ』

山本の顔が厳しい顔に
なっていた

『それで、俺も
そんな男と
一緒にされてる
ってわけか?』

『一緒にしてる
わけじゃねぇけど
もしそうなら
また夏海が傷付く
だけだから。
俺はもうそんな
夏海を見たくない』

あの頃の夏海の笑顔は
もう見たくなかった

笑顔の陰には
悲しみしかなかった
夏海の思い

見ているだけでも
辛かった

夏海は何も
言わなかったけど、
俺にはわかった

夏海が苦しみの中で
もがいている事を
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