笑顔の向こう側 ～先生とわたしの軌跡～

『本当は、
夏海を抱いた時に
俺が初めてじゃないんだって知って驚いたんだ。何か過去が
あるんだろうなとは
思ってたけど
そういう事か』

山本は
遠い目をして言った

俺は、マズい事を
言ってしまったんじゃ
ないかと思って
ハッとした

感情的になっていて
思わず言ってしまった

でも、それは違った

『俺にも過去が
あるように、夏海にも
過去があって当然だし
今夏海を幸せにするのが俺なら、それで
いいんだ。今の俺には
夏海が必要なんだ』

かっこいいよ、先生

俺が思っていたのとは
全然違った

この２人は本当に
愛し合っているんだ

『夏海の事、ちゃんと
幸せにしてやって
くれよな』

『当たり前だ。でも
俺の方が、夏海に
幸せな気持ちに
してもらってるかも
しれねぇけどな』

照れくさそうに
笑ったアイツ

夏海の事を好きなんだなって思わせる顔