笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
少し落ち着いた時

『先輩にフラれた』

と言って
また泣き出した

こんなに悲しんで
取り乱している
みどりを初めて見た

子供のように、声を
あげて泣いていた

『みどり…』

みどりはわたしに
すがりついて泣いていた

『ちょっと、飲み物
買ってくる』

凌が立ち上がって
自販機に向かう

『ごめんね、夏海』

みどりが声を
振り絞るように言った

『大丈夫だよ。
泣きたい時は
思いっきり泣きなよ』

凌が買ってきてくれた
ジュースを飲んで
ようやく落ち着きを
取り戻した様子のみどり

『夏海も凌もごめんね。ありがとね』

みどりは
ジュースの缶に視線を
落としたままだった
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