笑顔の向こう側 ～先生とわたしの軌跡～

キッチンに立って
グラスを洗った

わたしの隣には先生が
立っていた

『お疲れ様』

小声で言って、わたしにキスをくれた

『頑張ったご褒美』

先生は小声で言って
唇に人差し指を当てた

みどりと凌に
見付からないように…

わたしには最高の
ご褒美だった

先生の為に頑張った
わけじゃないけど
先生が応援して
くれていたからこそ
頑張って乗り越えた

その結果がダメだった
としても、きっと
後悔はしないと思う

先生の隣に居て
ふさわしい女性で
ありたかった

そのためには勉強も
ちゃんとやって
高校も卒業して
先生の隣に居たい

先生がくれたキスは
わたしにとっての
ご褒美とこれからも
頑張る力をくれた