笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『凌先輩!』

かおりが駆け寄ってきた

『寂しくなるよぉ』

と凌に甘えている
かおりが可愛かった

『かおり、わたしたちに会えないのは
寂しくないの?』

みどりがちょっと
意地悪っぽく言った

『もちろん
寂しいですよぉ』

『はいはい。ありがと』

みどりはかおりを
からかっていた

わたしは、みんなの
輪の中にいる先生を
見ていた

もう涙は出てこない

もうすぐ離れ離れに
なる事を悲観している
暇はなかった

この目でたくさんの
先生の笑顔を
見ておかなきゃ
いけなかったから
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