笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『それで
話ってなんだよ?』

凌が急かす

先生はタバコに
火をつけた

タバコの煙を
吐き出した先生が
一呼吸おいてから言った

『俺、地元の学校に
異動になったんだ』

しばらく沈黙が続いた

先生のタバコの煙が
虚しく揺れた

みどりが声を
小さめにして言った

『離れ離れに
なるって事?』

わたしはただうなずいた

『何でそうなるんだよ』

凌が悔しそうに言った

半分怒りが
こめられているような
口調だった

『せっかく一緒に
なれたのに、何で…』

みどりは今にも
泣き出しそうだった
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