笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『俺たち、教師と生徒
じゃなかったら
もっと自由に
愛し合えたかな』

『教師と生徒じゃなきゃ出会ってなかったよ。
先生覚えてる?
始業式の日、廊下で
ぶつかった事』

『もちろんだよ。
あの時にしっかり
夏海の顔を覚えたんだ。今考えたら、あれが
運命の出会いだった
のかもしれないな』

先生は覚えてくれていた

初めて会話をした
あの日を

『夏海に
告白されるなんて
思ってなかったけどな』

わたしはうつむいた

『今さら照れるなよぉ』

『あの時は
泣きすぎて、大変だったんだからね!』

『ごめんな。俺も気が
動転してしまって
何をどう
言ったらいいのか
わからなくなってて』

『それでも、先生が
わたしを好きになって
くれて良かった。
今でも信じられない
くらいだよ』

『もう辛い思いは
させないって
思ってたんだけどな…』
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